明日から3日坊主

誰も見てない躁鬱劇場

全て夢のよう

ある場所で、偶然ある男女が入れ替わった

最初は驚きを隠せないが、だんだんと思考や身体が馴染み、最初からそれが自分であったような感覚を覚える。そのまま男女は出会うことなく、それぞれの幸せを見つけていく。

 

もう元の自分の感覚がほとんど消え去ったある時、男は既に諸々の中身の抜けた夢のような記憶を辿って話を紡いだ。

それを偶然目にした女は同様の体験、記憶があるような感覚を覚え、男にメッセージを送る。

男女はお互いの記憶をたどり合い、遂にその分岐点を見つける。ここで何かがあったのだ。

しかし、男女は既にお互いの思考で、身体で、各々の人生を送っている。すでに元の体に戻る必要性は無かった。

「一度だけ、やってみませんか?これで何もなければそれで終わり。お互いに二度と連絡は取らない」

 

あの時と同じ季節、同じ場所、偶然にもあの時と同じ天気

あの日と同じようにそれぞれが自分の記憶をたどり、同じ行動をとる。

別の入口から入り、別の出口から出る。もう二度と出会うことはない。

 

お互いは満足し、元の生活に戻る。